2013年05月11日
PTS MAGPUL 製 PDR-C オーバーホール 組み立て編
3回に分けて お送りする「PTS MAGPUL 製 PDR-C オーバーホール」
其の組み立て編です。
PDR-C は、当ファクトリーのチューニングデモガン。「GT-2仕様」に仕上げます。
デモガンはファクトリーの圧倒的な技術力で、憧れと夢を見せ付けなければなりません。
其の組み立て編です。
PDR-C は、当ファクトリーのチューニングデモガン。「GT-2仕様」に仕上げます。
デモガンはファクトリーの圧倒的な技術力で、憧れと夢を見せ付けなければなりません。
性能目標は、
☆命中精度向上(30m程度の空き缶を連続で撃ち抜く程度)
☆飛距離向上(ミドルレンジ50mぐらい)
☆連射速度向上(秒間20発程度)
☆小射撃音(気づかれない程度)
☆トリガーフィーリングの向上
この辺を目指していきます。
潤沢にある当ファクトリーの在庫パーツの中から使える部品を選びます。
研究目的に揃えた部品が、この箱でだいたい10枚分ぐらいはあるでしょう。
今回はいつもよりかは替える部品が多いでしょうか。
それでもこの程度しか使いません。
トリガー廻りの組み立て
****************************************
前回 分解したトリガー廻りをまずは組み立てます。
トリガーハウジングにトリガーを付けトリガーピンを打ち込みます。
トリガーハウジングをロアフレームに組み付けます。
マグリリースボタンを横から挿入します。
スプリングブロックの左右にスプリングをはめ込みます。
マグリリースボタンのスプリングブロックを取り付けネジで固定します。
トリガースプリングを取り付け完成です。
メカボックスフレームの加工
****************************************
シリンダーはホーニング加工
ピストンレール部はバリ取り、エッジ丸め、鏡面加工が施されています。
メカボックス内を通る給弾ルートも鋳肌を軽く磨き、ざらつきを落としてあります。
タペットプレートの調整
****************************************
数発撃っただけのPDRですがタペットプレートのプロフィール部が凹んでいます。
セクターギアのカム部とのアタリがきつ過ぎるのでしょう。
中華銃では結構良く見る症状ですが、この部分を
きつめに作っておいて回転させ押しつぶす事で、
ベストなクリアランスを作るという考えなのでしょう。
でもこれではタペットプレートに負荷が掛かり折れてしまう危険がありますし
抵抗で発射サイクルも遅れてしまいますので修正する必要があります。
タペットプレートのどこがきつく当たっているか調べます。
セクターギアのタペットカム部を緑のマーカーで塗り、
タペットプレートとセクターギアのみを組み付けメカボックスを閉じ、
セクターギア指で回してみます。
塗った緑のマーカーインクがタペットプレートのあたりの強い部分に付着しますので
その部分を少しづつ削ります。
何度か同じ作業を繰り返し抵抗が無く回るようになれば完了です。
削りすぎてしまうとノズル&タペットプレートが後退しきれなくなって、
給弾不良になりますので少しづつ、最低限の削り込みをしましょう。
ギアの組み付け
****************************************
連射サイクルをUPする為に今回ギアーは純正の18:1から
「BIG DRAGON製 16:1強化ギア」に変更します。
そういえば、SHSが強化ギアの生産を辞めてしまったと
聞きますが何があったんでしょうかね?
「シム調整は、スパーギアの下のシムを極力薄く...。」は今回も通用しません。
きっと出来の良いマルイメカボックスだけが通用する常識なんでしょう。
セクターギアはタペットプレートとピストンラックギアの
接触位置を優先に考えシム調整をします。
ベベルギアはモーターピニオンギア調整の範囲内になるように
上側シムの厚さを調整します。下側シムはガタが少くなるように、
もしくは必要すらありません。
そして最後にスパーギアをセクターギアとベベルギアのギア歯に合わせて、
かつギア側面とメカボ壁面に接触しない位置にシム調整します。
出来る限りシムは少なめになるように選定していきます。
何度か調整を重ねベストなギアシム調整を目指しましょう。
シム調整が終わったらセクターギアを組み付けメカボックス左側から
セクターギアシャフトの突き出しを確認します。
シャフトがメカボックスの面から少しでも飛び出していると
ファイヤリングプレート(スイッチ側)に干渉てしまいプレートの動きが渋くなり、
セミオート、フルオートの切り替わりがうまくいかなかったり、
マイクロスイッチを押し切れずONにならない不具合が出ます。
飛び出している分を鑢で削って調整してください。
そんなに硬くは無い素材ですので簡単に削れます。
ピニオンギアとベベルギアのクリアランス調整
****************************************
次はピニオンギアとベベルギアのクリアランス調整をします。
純正モーターから「G&P M120ハイスピードモーター(ショート)」に変更します。
先の16:1強化ギアとLip7.4Vとの組み合わせで、秒間18~20発にはなるかと思います。
シム調整されたベベルギアのみ取り付けます。
M4系メカボックスではスイッチからグリップまで一式組み立てないと
モーターを回せませんがPDRはモーターに直にバッテリーをつなげる事が
出来るので間単にクリアランス調整が出来ます。
バッテリーをモーターに直付けし回転させます。
モーターでベベルギアのみを回転させて、ギアノイズを注意深く聞きましょう。
モーター調整ネジを閉めていくと(時計回り)、途中から、ガリガリ異音がしてきますので、
そこから30度ほど緩め(反時計回り)ます。異音が鳴らないギリギリの位置を探りましょう。
調整が終わったら、メカボックスを開ける所までまた分解します。
メカボックス組み立て
****************************************
純正のマイクロスイッチは「沪顺电器有限公司製LXW16-3-3」
品質的に怪しいとお思いの方は「オムロン製V-16 1A5(定格16A)」に替えるとよいでしょう。
今回のPDRはFETスイッチで制御するので定格16Aも必要ないので
「オムロン製VX-54-1A3(定格5A)」のスイッチを選びました。
こちらの方がスイッチの押しがやわらかいのでトリガーをより軽く出来るとの判断です。
マイクロスイッチをメカボックス右側に取り付けます。
メカボックスを閉じる時に抜け落ちたりとめんどくさい事になるので、
薄い両面テープで固定すると良いでしょう。
カットオフレバーを取り付けます。
スプリングの取り付け穴を間違えないようにしましょう。
スパーギア、セクターギアを取り付け、
取り付け方向を間違わないようにラッチとバネを取り付けます。
ピストン&シリンダーを組み付けます。
「ライラクス ハードピストン」&「ライラクス ピストンヘッド POM NEO」
価格的にも高級の部類に入る出来のよいチューニング部品ですが、
そのまま組むことは無くキッチリ加工してあります。
ピストンヘッドノズルの外周にシリコングリス塗りこみます。
ピストンリングにシリコングリスを塗りこみピストンに組み込みます。
「ライラクス ステンレスハードシリンダー」も内部は表面研磨がされています。
毎度写真ではピカピカに磨かれているように見えますが、
実際にはヘアライン状の磨き傷が残されており、
自動車エンジンで言うホーニング加工と同じ効果があります。
この磨き傷にグリスが保持され、低摩擦、高気密が実現されます。
ラッチを下に押し下げ、ベベルギアを取り付けます。
タペットプレートスプリングを取り付けます。
ギアボックスボス(メカボックス固定ネジ溝プレート)2個を忘れずに挿入しておきましょう。
メカボックスを閉じ、エアノズルを押してみたらかなり硬いです。
タペットプレートスプリングが硬い為です。
これではタペットプレートに負荷が掛かってしまいますのでより軟らかい
マルイの純正タペットプレートスプリングが在庫にありましたので交換しました。
タペットプレートのクリアランス調整とタペットスプリングレート変更で
タペットプレートへの負荷は減少しています。
これで折れる心配はないかと思います。
各社スプリングを用意しましたので片っ端からテストして初速調整します。
テストの結果 Element製95>バトン製90>SHS製90
のレート順番でした。
PDRはスプリング交換が容易で助かります。
バトン製90を採用することになりました。
モーターに配線をハンダ付けします。
マガジンリリースプレートを取り付けます。
ファイヤリングプレート、ラッチリリースプレートを取り付けます。
メカボックスをロアフレームに挿入します。
トリガーロッド、マグリリースボタンロッドを差し込みます。
マガジン挿入口奥のねじ2本を取り付けます。
分解時にストック下側のねじを緩めるときドライバーが入らなかったので、
容易にネジを回せるように六角穴付きボタンボルトに変更します。
このネジなら六角レンチで簡単に回す事が可能です。
トリガーハウジングカバーを取り付けます。
ボールベアリングを挿入します。
スプリングを挿入します。
トリガーを引きながらイモネジを締め込みます。
トリガーの動きが渋くなったら少しだけイモネジを緩め完了です。
前回トリガーテンション調整ネジを設けましたので調整します。
テンション調整ネジを多めに締めこんでトリガーを引きます。
トリガーにテンションが掛かっていますので、
トリガーを離した状態でも少量引いたままの状態になっていますので
ファイヤリングプレート(スイッチ側)が下がっています。
トリガーテンション調整ネジを少しづつ緩めていくと
ファイヤリングプレート(スイッチ側)が初期位置に戻ります。
この状態でトリガーロッドのテンションが最適な状態になります。
トリガーセーフティレスとトリガーテンションを調整したので、
5mm程度トリガーを引くとセミ射撃が出来るフィーリングに改善されました。
グニャグニャなノーマールトリガーフィーリングとはおさらばです。
バレル&チャンバー
****************************************
PDRのホップチャンバーバッキン部は特殊な形状です。
これを加工してより効率の良いホップ形状に作り直しましょう。
左右の0.5mmに満たないついたてを削り落とさないように、
深く丸い凹みを鑢で削って作っていきます。
マルイのホップアップラバーを「C」の字に切断します。
丸い凹に加工したホップアップラバーを接着します。
BB弾を面で押さえながらも前進方向にまっすぐ回転を与える形状の
ホップアップバッキンが完成しました。
バレルはPDR純正品と「アングス絶対精度 Infinity Arms6.1バレル」2種類用意しました。
写真はPDR純正品をいつものように、バレル出口奥20mm
からの緩やかなテーパー、内部は鏡面加工が施された物です。
もちろん旋盤を使わない手加工です。
手加工ではまともな形状が出来るわけがないとお思いの方もいるかもしれませんが
「職人ナメるな!!」と言う事です。
マルイ純正ホップパッキンに交換します。
ホップ調整ダイアルが緩過ぎで射撃を繰り返すと調整がずれる不具合対策
のために、アルミテープを赤丸で囲った部分に貼ってあります。
これだけで調整ダイアルはかなりきつめに固定されるようになりました。
オリジナル加工したホップチャンバーバッキンを取り付けます。
インナーバレル&チャンバーの完成です。
今回はアウターバレルとインナーバレルにかなりの隙間がありますが
テープを巻いて隙間を埋める処理はしておりません。
アウターバレル内部先端にOリングが組まれておりインナーバレルをガッチリと固定する
設計になっていますのでいつもの処理は必要はありませんでした。
チャンバーを押さえつけノックピンを差し込みましょう。
バッテリーと配線
****************************************
FETスイッチはトリガーレスポンス向上の為に
「akipiro5ファクトリー製 スナイパー型 FET」を採用しました。
通常の電動ガンの発射工程は、
1:引き金を引く
2:モーターがピストンを圧縮する
3:ピストンが開放され発射
となりますが、このFETはセミオート射撃時カットオフレバーにより電源が遮断され
発射サイクルが止まるまでの時間を任意に遅らせる事ができます。
1発目は通常の発射工程と変わりませんが2発目からは、
発射サイクルが止まるまでの時間を遅らせているので、次弾のピストン圧縮サイクルを
終えピストンを最後尾で止めた状態で待機となります。
後もうちょっとで弾が発射される状態ですので、
引き金を引いた瞬間に弾が発射されます。
最近ではこの機構を「プリコッキング」と言うようです。
スナイパー型 FET の発射工程
1:引き金を引く(一発目)
2:モーターがピストンを圧縮する
3:ピストンが開放され発射
4:モーターがピストンを圧縮する
5:引き金を引く(2発目以降)
6:ピストンが開放され発射
7:モーターがピストンを圧縮する
8:5に戻る
バッテリーはグリップ内にどうにか入るBATON製リポバッテリー7.4v2000mAhです。
ただしバッテリーは入りますが、コネクターと配線は無理やり押し込まないと入らない
もしくは入りません。
バッテリーをグリップに入れ配線を上側に出しておきます。
バレルアッセンブリーを固定します。
FETユニットはフロントグリップ内に収めています。
配線をバレル側面に綺麗に這わせておきます。
エジェクションポート部にバッテリーコネクターを配置するので
エジェクションポートセレクターを取り外したままにします。
エジェクションポートセレクターハウジングも配線を通すのに邪魔でしたので、
「パーツ供給皆無をも恐れぬ、無慈悲な切断加工」 をしておきました。
エジェクションポート部がスッキリしました。
バッテリーは銃に入れたままにしておいて、充電も銃ごとします。
使用時はコネクターを挿して詰め込んでおきます。
外装カスタム
****************************************
PDRはピカティニー・レール が上面にしかないので
タクティカルライトが付けれないので両サイドにG36用レールを取り付けます。
取り付ける位置を正確に測って、ネジ穴を開けます。
これでレールオプションが付け放題です。
グリップ部は滑り止めの為に当ファクトリーお約束の
ラインステッピング加工をしてあります。
Fグリップ部もドットステッピング加工をしてあります。
ここはMAGPUL元社長のクリス・コスタ氏の髭をイメージしましたw。
アイアンサイト(ポリマーサイト)は在庫にあった「MAGPUL MBUS Gen 2」。
MAGPULの銃にはMAGPULの部品って事です。(正直見づらいサイト...)
お約束のようにレール取り付け部を削らないと取り付け不可能でした。
ドットサイトは「Eotech 551 レプ」が在庫にありましたので使います。
ってか...書いてて どんだけ在庫があるんだよと思えてきましたw。
完成
****************************************
初速は0.20g弾 適正ホップで90程度です。
連射速度は秒間18発程度です。
消音効果のために「APS製エクステンションアウターバレル」でバレルを延長し
「ライラクス ショートナイツサプレッサーリアルβ 」を取り付けてあります。
消音効果も内部小音加工とサプレッサーのおかげで屋内フィールドでのゲーム時に
10メートルの距離から のらくろ伍長氏を撃ってみましたが、
「無音のあと撃たれた。」とのコメントをいただきました。
ピカティニー・レールが左右にあると つい...
タクティカルライトを左右に付けたくなるんですよね。
格好がP-90みたいになってしまいました...。
試射は、いつもお世話になっております焼津スペシャルフォースのシューティングレンジです。
命中精度もいい感じで仕上がりましたし、野外でも試射してみましたら
45m程度までまっすぐ飛び飛距離も50m以上はありました。
もう当たり前ですね。
目標どおりのチューンドデモガン「MAGPUL PDR GT-2」の完成です。
あとがき
****************************************
最近は、「狙いをさだめたあとにトリガーの引きから発射に間延びがあり
ターゲットを撃ち損じるから何とかして欲しい。」
と言うご相談が多くなってまいりました。
いまや命中精度や飛距離なんて飛んで当たり前、
数値スペックだけのチューニングに惑わされずフィーリングまでも追い求める
高い次元の要求を満たすチューニングは難しいですが出来る限り応えていきたいですね。
じきに「狙わなくても当たる銃が欲しい」と言う要望も来るかもしれません。(ムリ)
****************************************
NEXT
*********************************
次回は...
根強い人気の「89式自動小銃」のオーバーホールです。
専用部品が多くチューニングは盛んでは無いようですが、
フルチューンの予定で最強の89に仕上げますのでお楽しみに!!
*********************************
MAGPUL PDR-C キタ━\(゚∀゚)/━ !!
PTS MAGPUL 製 PDR-C オーバーホール 分解編
PTS MAGPUL 製 PDR-C オーバーホール 分解追補編
☆命中精度向上(30m程度の空き缶を連続で撃ち抜く程度)
☆飛距離向上(ミドルレンジ50mぐらい)
☆連射速度向上(秒間20発程度)
☆小射撃音(気づかれない程度)
☆トリガーフィーリングの向上
この辺を目指していきます。
潤沢にある当ファクトリーの在庫パーツの中から使える部品を選びます。
研究目的に揃えた部品が、この箱でだいたい10枚分ぐらいはあるでしょう。
今回はいつもよりかは替える部品が多いでしょうか。
それでもこの程度しか使いません。
トリガー廻りの組み立て
****************************************
前回 分解したトリガー廻りをまずは組み立てます。
トリガーハウジングにトリガーを付けトリガーピンを打ち込みます。
トリガーハウジングをロアフレームに組み付けます。
マグリリースボタンを横から挿入します。
スプリングブロックの左右にスプリングをはめ込みます。
マグリリースボタンのスプリングブロックを取り付けネジで固定します。
トリガースプリングを取り付け完成です。
メカボックスフレームの加工
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シリンダーはホーニング加工
ピストンレール部はバリ取り、エッジ丸め、鏡面加工が施されています。
メカボックス内を通る給弾ルートも鋳肌を軽く磨き、ざらつきを落としてあります。
タペットプレートの調整
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数発撃っただけのPDRですがタペットプレートのプロフィール部が凹んでいます。
セクターギアのカム部とのアタリがきつ過ぎるのでしょう。
中華銃では結構良く見る症状ですが、この部分を
きつめに作っておいて回転させ押しつぶす事で、
ベストなクリアランスを作るという考えなのでしょう。
でもこれではタペットプレートに負荷が掛かり折れてしまう危険がありますし
抵抗で発射サイクルも遅れてしまいますので修正する必要があります。
タペットプレートのどこがきつく当たっているか調べます。
セクターギアのタペットカム部を緑のマーカーで塗り、
タペットプレートとセクターギアのみを組み付けメカボックスを閉じ、
セクターギア指で回してみます。
塗った緑のマーカーインクがタペットプレートのあたりの強い部分に付着しますので
その部分を少しづつ削ります。
何度か同じ作業を繰り返し抵抗が無く回るようになれば完了です。
削りすぎてしまうとノズル&タペットプレートが後退しきれなくなって、
給弾不良になりますので少しづつ、最低限の削り込みをしましょう。
ギアの組み付け
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連射サイクルをUPする為に今回ギアーは純正の18:1から
「BIG DRAGON製 16:1強化ギア」に変更します。
そういえば、SHSが強化ギアの生産を辞めてしまったと
聞きますが何があったんでしょうかね?
「シム調整は、スパーギアの下のシムを極力薄く...。」は今回も通用しません。
きっと出来の良いマルイメカボックスだけが通用する常識なんでしょう。
セクターギアはタペットプレートとピストンラックギアの
接触位置を優先に考えシム調整をします。
ベベルギアはモーターピニオンギア調整の範囲内になるように
上側シムの厚さを調整します。下側シムはガタが少くなるように、
もしくは必要すらありません。
そして最後にスパーギアをセクターギアとベベルギアのギア歯に合わせて、
かつギア側面とメカボ壁面に接触しない位置にシム調整します。
出来る限りシムは少なめになるように選定していきます。
何度か調整を重ねベストなギアシム調整を目指しましょう。
シム調整が終わったらセクターギアを組み付けメカボックス左側から
セクターギアシャフトの突き出しを確認します。
シャフトがメカボックスの面から少しでも飛び出していると
ファイヤリングプレート(スイッチ側)に干渉てしまいプレートの動きが渋くなり、
セミオート、フルオートの切り替わりがうまくいかなかったり、
マイクロスイッチを押し切れずONにならない不具合が出ます。
飛び出している分を鑢で削って調整してください。
そんなに硬くは無い素材ですので簡単に削れます。
ピニオンギアとベベルギアのクリアランス調整
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次はピニオンギアとベベルギアのクリアランス調整をします。
純正モーターから「G&P M120ハイスピードモーター(ショート)」に変更します。
先の16:1強化ギアとLip7.4Vとの組み合わせで、秒間18~20発にはなるかと思います。
シム調整されたベベルギアのみ取り付けます。
M4系メカボックスではスイッチからグリップまで一式組み立てないと
モーターを回せませんがPDRはモーターに直にバッテリーをつなげる事が
出来るので間単にクリアランス調整が出来ます。
バッテリーをモーターに直付けし回転させます。
モーターでベベルギアのみを回転させて、ギアノイズを注意深く聞きましょう。
モーター調整ネジを閉めていくと(時計回り)、途中から、ガリガリ異音がしてきますので、
そこから30度ほど緩め(反時計回り)ます。異音が鳴らないギリギリの位置を探りましょう。
調整が終わったら、メカボックスを開ける所までまた分解します。
メカボックス組み立て
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純正のマイクロスイッチは「沪顺电器有限公司製LXW16-3-3」
品質的に怪しいとお思いの方は「オムロン製V-16 1A5(定格16A)」に替えるとよいでしょう。
今回のPDRはFETスイッチで制御するので定格16Aも必要ないので
「オムロン製VX-54-1A3(定格5A)」のスイッチを選びました。
こちらの方がスイッチの押しがやわらかいのでトリガーをより軽く出来るとの判断です。
マイクロスイッチをメカボックス右側に取り付けます。
メカボックスを閉じる時に抜け落ちたりとめんどくさい事になるので、
薄い両面テープで固定すると良いでしょう。
カットオフレバーを取り付けます。
スプリングの取り付け穴を間違えないようにしましょう。
スパーギア、セクターギアを取り付け、
取り付け方向を間違わないようにラッチとバネを取り付けます。
ピストン&シリンダーを組み付けます。
「ライラクス ハードピストン」&「ライラクス ピストンヘッド POM NEO」
価格的にも高級の部類に入る出来のよいチューニング部品ですが、
そのまま組むことは無くキッチリ加工してあります。
ピストンヘッドノズルの外周にシリコングリス塗りこみます。
ピストンリングにシリコングリスを塗りこみピストンに組み込みます。
「ライラクス ステンレスハードシリンダー」も内部は表面研磨がされています。
毎度写真ではピカピカに磨かれているように見えますが、
実際にはヘアライン状の磨き傷が残されており、
自動車エンジンで言うホーニング加工と同じ効果があります。
この磨き傷にグリスが保持され、低摩擦、高気密が実現されます。
ラッチを下に押し下げ、ベベルギアを取り付けます。
タペットプレートスプリングを取り付けます。
ギアボックスボス(メカボックス固定ネジ溝プレート)2個を忘れずに挿入しておきましょう。
メカボックスを閉じ、エアノズルを押してみたらかなり硬いです。
タペットプレートスプリングが硬い為です。
これではタペットプレートに負荷が掛かってしまいますのでより軟らかい
マルイの純正タペットプレートスプリングが在庫にありましたので交換しました。
タペットプレートのクリアランス調整とタペットスプリングレート変更で
タペットプレートへの負荷は減少しています。
これで折れる心配はないかと思います。
各社スプリングを用意しましたので片っ端からテストして初速調整します。
テストの結果 Element製95>バトン製90>SHS製90
のレート順番でした。
PDRはスプリング交換が容易で助かります。
バトン製90を採用することになりました。
モーターに配線をハンダ付けします。
マガジンリリースプレートを取り付けます。
ファイヤリングプレート、ラッチリリースプレートを取り付けます。
メカボックスをロアフレームに挿入します。
トリガーロッド、マグリリースボタンロッドを差し込みます。
マガジン挿入口奥のねじ2本を取り付けます。
分解時にストック下側のねじを緩めるときドライバーが入らなかったので、
容易にネジを回せるように六角穴付きボタンボルトに変更します。
このネジなら六角レンチで簡単に回す事が可能です。
トリガーハウジングカバーを取り付けます。
ボールベアリングを挿入します。
スプリングを挿入します。
トリガーを引きながらイモネジを締め込みます。
トリガーの動きが渋くなったら少しだけイモネジを緩め完了です。
前回トリガーテンション調整ネジを設けましたので調整します。
テンション調整ネジを多めに締めこんでトリガーを引きます。
トリガーにテンションが掛かっていますので、
トリガーを離した状態でも少量引いたままの状態になっていますので
ファイヤリングプレート(スイッチ側)が下がっています。
トリガーテンション調整ネジを少しづつ緩めていくと
ファイヤリングプレート(スイッチ側)が初期位置に戻ります。
この状態でトリガーロッドのテンションが最適な状態になります。
トリガーセーフティレスとトリガーテンションを調整したので、
5mm程度トリガーを引くとセミ射撃が出来るフィーリングに改善されました。
グニャグニャなノーマールトリガーフィーリングとはおさらばです。
バレル&チャンバー
****************************************
PDRのホップチャンバーバッキン部は特殊な形状です。
これを加工してより効率の良いホップ形状に作り直しましょう。
左右の0.5mmに満たないついたてを削り落とさないように、
深く丸い凹みを鑢で削って作っていきます。
マルイのホップアップラバーを「C」の字に切断します。
丸い凹に加工したホップアップラバーを接着します。
BB弾を面で押さえながらも前進方向にまっすぐ回転を与える形状の
ホップアップバッキンが完成しました。
バレルはPDR純正品と「アングス絶対精度 Infinity Arms6.1バレル」2種類用意しました。
写真はPDR純正品をいつものように、バレル出口奥20mm
からの緩やかなテーパー、内部は鏡面加工が施された物です。
もちろん旋盤を使わない手加工です。
手加工ではまともな形状が出来るわけがないとお思いの方もいるかもしれませんが
「職人ナメるな!!」と言う事です。
マルイ純正ホップパッキンに交換します。
ホップ調整ダイアルが緩過ぎで射撃を繰り返すと調整がずれる不具合対策
のために、アルミテープを赤丸で囲った部分に貼ってあります。
これだけで調整ダイアルはかなりきつめに固定されるようになりました。
オリジナル加工したホップチャンバーバッキンを取り付けます。
インナーバレル&チャンバーの完成です。
今回はアウターバレルとインナーバレルにかなりの隙間がありますが
テープを巻いて隙間を埋める処理はしておりません。
アウターバレル内部先端にOリングが組まれておりインナーバレルをガッチリと固定する
設計になっていますのでいつもの処理は必要はありませんでした。
チャンバーを押さえつけノックピンを差し込みましょう。
バッテリーと配線
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FETスイッチはトリガーレスポンス向上の為に
「akipiro5ファクトリー製 スナイパー型 FET」を採用しました。
通常の電動ガンの発射工程は、
1:引き金を引く
2:モーターがピストンを圧縮する
3:ピストンが開放され発射
となりますが、このFETはセミオート射撃時カットオフレバーにより電源が遮断され
発射サイクルが止まるまでの時間を任意に遅らせる事ができます。
1発目は通常の発射工程と変わりませんが2発目からは、
発射サイクルが止まるまでの時間を遅らせているので、次弾のピストン圧縮サイクルを
終えピストンを最後尾で止めた状態で待機となります。
後もうちょっとで弾が発射される状態ですので、
引き金を引いた瞬間に弾が発射されます。
最近ではこの機構を「プリコッキング」と言うようです。
スナイパー型 FET の発射工程
1:引き金を引く(一発目)
2:モーターがピストンを圧縮する
3:ピストンが開放され発射
4:モーターがピストンを圧縮する
5:引き金を引く(2発目以降)
6:ピストンが開放され発射
7:モーターがピストンを圧縮する
8:5に戻る
バッテリーはグリップ内にどうにか入るBATON製リポバッテリー7.4v2000mAhです。
ただしバッテリーは入りますが、コネクターと配線は無理やり押し込まないと入らない
もしくは入りません。
バッテリーをグリップに入れ配線を上側に出しておきます。
バレルアッセンブリーを固定します。
FETユニットはフロントグリップ内に収めています。
配線をバレル側面に綺麗に這わせておきます。
エジェクションポート部にバッテリーコネクターを配置するので
エジェクションポートセレクターを取り外したままにします。
エジェクションポートセレクターハウジングも配線を通すのに邪魔でしたので、
「パーツ供給皆無をも恐れぬ、無慈悲な切断加工」 をしておきました。
エジェクションポート部がスッキリしました。
バッテリーは銃に入れたままにしておいて、充電も銃ごとします。
使用時はコネクターを挿して詰め込んでおきます。
外装カスタム
****************************************
PDRはピカティニー・レール が上面にしかないので
タクティカルライトが付けれないので両サイドにG36用レールを取り付けます。
取り付ける位置を正確に測って、ネジ穴を開けます。
これでレールオプションが付け放題です。
グリップ部は滑り止めの為に当ファクトリーお約束の
ラインステッピング加工をしてあります。
Fグリップ部もドットステッピング加工をしてあります。
ここはMAGPUL元社長のクリス・コスタ氏の髭をイメージしましたw。
アイアンサイト(ポリマーサイト)は在庫にあった「MAGPUL MBUS Gen 2」。
MAGPULの銃にはMAGPULの部品って事です。(正直見づらいサイト...)
お約束のようにレール取り付け部を削らないと取り付け不可能でした。
ドットサイトは「Eotech 551 レプ」が在庫にありましたので使います。
ってか...書いてて どんだけ在庫があるんだよと思えてきましたw。
完成
****************************************
初速は0.20g弾 適正ホップで90程度です。
連射速度は秒間18発程度です。
消音効果のために「APS製エクステンションアウターバレル」でバレルを延長し
「ライラクス ショートナイツサプレッサーリアルβ 」を取り付けてあります。
消音効果も内部小音加工とサプレッサーのおかげで屋内フィールドでのゲーム時に
10メートルの距離から のらくろ伍長氏を撃ってみましたが、
「無音のあと撃たれた。」とのコメントをいただきました。
ピカティニー・レールが左右にあると つい...
タクティカルライトを左右に付けたくなるんですよね。
格好がP-90みたいになってしまいました...。
試射は、いつもお世話になっております焼津スペシャルフォースのシューティングレンジです。
命中精度もいい感じで仕上がりましたし、野外でも試射してみましたら
45m程度までまっすぐ飛び飛距離も50m以上はありました。
もう当たり前ですね。
目標どおりのチューンドデモガン「MAGPUL PDR GT-2」の完成です。
あとがき
****************************************
最近は、「狙いをさだめたあとにトリガーの引きから発射に間延びがあり
ターゲットを撃ち損じるから何とかして欲しい。」
と言うご相談が多くなってまいりました。
いまや命中精度や飛距離なんて飛んで当たり前、
数値スペックだけのチューニングに惑わされずフィーリングまでも追い求める
高い次元の要求を満たすチューニングは難しいですが出来る限り応えていきたいですね。
じきに「狙わなくても当たる銃が欲しい」と言う要望も来るかもしれません。(ムリ)
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次回は...
根強い人気の「89式自動小銃」のオーバーホールです。
専用部品が多くチューニングは盛んでは無いようですが、
フルチューンの予定で最強の89に仕上げますのでお楽しみに!!
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MAGPUL PDR-C キタ━\(゚∀゚)/━ !!
PTS MAGPUL 製 PDR-C オーバーホール 分解編
PTS MAGPUL 製 PDR-C オーバーホール 分解追補編
G&D 製 DTW M4 中華トレポン オーバーホール 組み立て編
G&D 製 DTW M4 中華トレポン オーバーホール 分解編
RETRO ARMS の FCU 取り付け
King Arms 製 ナイツ SR-16 オーバーホール 組み立て編
King Arms 製 ナイツ SR-16 オーバーホール 分解編
ARES製 GSG G14 オーバーホール 組み立て編
G&D 製 DTW M4 中華トレポン オーバーホール 分解編
RETRO ARMS の FCU 取り付け
King Arms 製 ナイツ SR-16 オーバーホール 組み立て編
King Arms 製 ナイツ SR-16 オーバーホール 分解編
ARES製 GSG G14 オーバーホール 組み立て編
自分はピストンクラッシュしてしまいましたΣ(゚д゚lll)
やっぱり歯もポリカーボネイトだとセミで乱射するとすぐ削れマスね。
おかげでシリンダーヘッドのラバー部分、ピストンヘッド、ピストンと交換しないといけない状態です。
ピストンヘッド、ピストンは違うメーカーにしてみます。
ピストンヘッドはSYSTEMA AREA1000、ピストンをHurricanEのフルアルミ強化ピストンに変更しようと思います。ついでにモーターもAtoZとかぶち込んでしまおうかと考え中ですがやってもM120かEG-30000Sぐらいが無難かな〜とか
自分のもピストンの動きはスナイパー型です。
壊れたついでにステップアップですね。
フルアルミ強化ピストンって慣性質量上がって
サイクルに追いつけなくなったりしませんかね?
あと、セミオンリーにしようかと考え中です。
以前からブログ楽しく拝見させていただいております。
PDRが手に入ったのですが、トリガーフィーリングが気に食わず早速、トリガーセーフティレスとトリガーテンション調整システム実装しました。
恐れ入りました。
スナイパータイプのFETも試したく思います。
また次回も楽しみにしています。
PDRのトリガーはイマイチですよね。
あと、しっかりとしたセーフティーが欲しいですね。
大事なことを一つお教えしたいので 「オーナーへメッセージを送る」
よりメアドを送ってくれるとイイかな~~と思います。
よろしく!!
トリガーセミより奥に引けない様に板を挟んでセミオンリーにします。
セミとフルを確実に切りかえれるような方法が
あると良いんですがね。
構想はあるんですが、やっている暇が無くって...。
同じ仕様製作可能です。
メールを送りましたのでご検討お願いします。
よろしく!!お願いします。
確かにトリガーフィーリングとかもそっとサイクル早めたいなど・・・手持ちの物をチューンしていただくことは可能でしょうか?ご連絡頂けますと幸いです。
メールを送りましたのでご検討お願いします。
よろしく!!お願いします。