2016年01月03日
RETRO ARMS の FCU 取り付け

電動ガンのトリガーレスポンスを劇的に向上させる? FCU(Fire Control Unit)
RETRO ARMSから発売された「Processor unit for our CNC V2 gearbox」
を取り付けてテストしてみました。

「RETRO ARMS Processor unit for our CNC V2 gearbox」は
同社から発売されている「RETRO ARMS CNC airsoft gearbox v2」専用のFCUです。
つまり中華どころかマルイ用ですらありませんが加工すればだいたいは付きます。

ただし付くだけでなく確実に動くようにする。となると どうなんでしょうか...。

今回取り付ける銃は2015年始めに買った1万円福袋の
「A&K 製 M4A1 スポーツライン」 まあ...ぶっちゃけ地雷です。
ですがそんなゴミでもキッチリ動くようにするのがトイガンチューナーの技術力ってモンでしょう。
分解編ダイジェスト
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M4系Ver.2メカボックスの分解はやったばかりですのでそちらを参考にしてください。
唯一違うのはプラスチック フレームですのでテイクダウンがパカッ!!と開く部分だけです。

外装を分解し終えました。

メカボックスをあけました。

A&K製は ピストンヘッド、エアシールノズル、チャンバー&パッキンが専用設計です。
その内どれか一つを替えるとなるとすべて替えなければならなくなります。

ギアーにはグリスがたっぷりと塗られています。
ぬぐい取るのがめんどいしギトギトで不快です。

分解をブログに細かくUPしようと思っていたのでいつもより丁寧に部品を並べてあります。

分解が終わりました。
綺麗に洗浄し各部品を加工します。
メカボックスフレームの加工
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バリがバリバリ伝説なメカボックスでしたので綺麗にしました。
交換した部品とシム調整
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ピストンは加工に失敗してしまい仕方なく交換。
タペットプレートはいくらなんでも酷かったので交換。
シリンダーは別の銃に使いたくなり、適当な物に交換。

元から付いていたしょぼいギアーを加工しシム調整をしました。
当ファクトリーで組まれるギアー3点は軸ぶれが無いかすべて検査されています。
セクターギアーをよく見るとお解かり頂けますがギアーの歯2番目をカットしています。
ピストン戻り時に起きるピストンジャンプによるピストンクラッシュは
セクターギアー1番目とピストンラックギアー2番目の歯が接触(クラッシュ)して起きます。
この不具合の改善策としてピストンラックギアー2番目を削り落とす加工は一般的に行われています。
さて...ピストンラックギアー2番目を削り落としたら
その対となるセクターギアー2番目は必要な物なのでしょうか?
噛み合うギアーの歯が無いのなら必要ないわけですし、
より激しいピストンジャンプが起きた時セクターギアー2番目は
ピストンラックギアー3番目と接触(クラッシュ)を起こす危険を秘めています。
ならばこのセクターギアー2番目は必要なしと判断しこのような加工がなされています。

元は0.1mmの薄いシムを何枚も重ねてのシム調整(右)
でしたので少ないシム枚数でキッチリと調整(左)しました。
FCUの仮組みとチェック
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ここからが本題のFCU取り付けです。
FCUは細かなスイッチが多数取り付けられていますので
丁寧に扱わないとすぐに壊れてしまいます。
壊してしまうと1.5万円ほどがパーになってしまいますので気をつけましょう。
セレクタープレートを取り付けます。
よく覚えていませんがたしかこの部品も加工しました。

カットオフレバーはFCUにとって非常に重要な部品です。
セクターギアが回りセクターカットオフカムがカットオフレバーを押し上げる。
カットオフレバーがFCUのスイッチを作動させFCUが1サイクルを検知します。

カットオフレバーがスムースに動かないとセミ、フルの切り替えが
正常に作動しなくなります。

FCUをメカボックスに取り付けると大半のFCUはピッタリと嵌りません。
今回の作業でもFCU基盤の矢印の部分を鑢で削ることで調整しました。

カットオフレバースプリングはFCUを取り付けた後に付けた方がよいでしょう。
何故かって??たくさんのFCU取り付けをおこなった経験からです。

ストッパーアームを取り付けます。

ストッパーアームによってトリガーセーフティーをかけるタイプのFCUは
トリガーストロークを詰めるのにはあまり向かないFCUとなります。

ストッパーアームの動きを阻害しないように配線を取り回します。

カットオフレバーがFCUのカットオフスイッチを押すのを確認します。

反対にカットオフレバーがFCUのカットオフスイッチを押していないのも確認します。

配線をメカボックスに綺麗に組み込みます。

シムをつけたセクターギアを取り付けます。

メカボックを閉じロアフレームに組み込みます。
今からチェックしなければならないのは、
セクターギアーを回した時にカットオフレバーが
FCUのカットオフスイッチをON、OFFしているのか?です。

セクターギアーを手で何周も回してみます。
セレクターがセミの時:スイッチがON、OFFを繰り返す。
セレクターがフルの時:スイッチがOFFのまま。
この確認をセレクターレバーをセーフティー→セミ→フルと動かし確認し、
フル→セミ→セーフティーと反対に動かした時も確認しなければなりません。
この動作が正常に作動しない場合は
セミ、フルの切り替えが正常に作動しない銃となります。
メカボックスの完成
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A&K製のメカボックスは特にこのFCUと相性が悪かったようですが、
一回のチェックで不具合を確認し、その後1回の修正で終わりました。

なん挺もFCU組み込みをやっていれば簡単に終わります。

メカボックスを組み込みます。

モーターを挿入し配線します。
モーターへの配線はハンダ直付けです。
モーターから配線が抜け落ちない信頼性の高いハンダ直付けがベストです。
RETRO ARMSのFCUはモーターブレーキを使うタイプですので
SBDは取り付けないでください。
バレル&チャンバー
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いつものように、バレル出口奥20mmからの緩やかなテーパー、
内部は鏡面加工が施された物です。
もちろん旋盤を使わない手加工です。

N-1バレル&チャンバーです。

アッパーレシーバを組んで
完成
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この銃はご要望がある場合チューン預け時の代替銃として、
GUNどっくのチューンを知って貰う為1ゲーム毎の体験レンタル銃として、
私の予備銃として使われています。

初速はマルイ0.2g弾で91から93程度。

11.1Vリポでも問題ないと思いますが耐久性重視と言う事で、
バッテリーは7.4Vリポで運用します。
また接続が容易なように後方配線に変更し
クレーンストック内部に挿入としました。

ミリストロークトリガーとしました。
通常電動ガンのノーマルトリガーは発砲までのトリガー引き代が10mm程度あります。

ミリストロークトリガーは、わずか3mmトリガーを引くだけで発砲となります。
トリガーへのフェザータッチによる発砲で射手の手ブレを抑制します。
近場にシューティングレンジが無くなってしまい
試射動画を作れなくなってしまいましたが久々に製作しました。
命中精度向上は当然の事、動画51秒辺りからのセミ射撃の連続射撃で
高レスポンスぶりが確認できるかと思います。

上の写真をクリックすると拡大表示されます。
いろいろな小物と並べるとかっこよく見えますかね?

上の写真をクリックすると拡大表示されます。
*写真に写っているものはすべてトイガン用のオモチャです。

上の写真をクリックすると拡大表示されます。
かなり出来の良い銃となりましたが、私の所有する銃の中では二軍程度の装備です。

上の写真をクリックすると拡大表示されます。
つまり、この銃をメインウエポンとしてサバゲーに持って来た時は、
手抜きの消化試合程度のゲーム日と言う事になります...。
あとがき
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FCUを取り付けるとセミがキレキレになる便利な物
と認識されている方がたまにいますがそんなに簡単なものではありません。
元の電動ガンをキッチリとチューンできているからこそ機能する部品な訳で、
不具合のある銃に組んだらより難解な不具合の多発する銃になります。
まずはチューンが完了し安定して使える銃に取り付けてみましょう。
中華の調整とFCU取り付けを同時にやるのはあまりにも地雷です。
特にRETRO ARMSのFCUは銃ごとの相性が激しいようで、
同じ時期に組まれた お友達はセミ、フルの切り替えがうまく行かず悩まれていいました。
FCUをキッチリと組めるようになったらトイガンチューンのレベルが
ワンランク上がったと自ら思えてくるでしょう。
難しい部分は多々ありますがチャレンジしてみてください。
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NEXT
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次回も...
すぐ書きます。
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