2013年02月09日
S&T製 タボール TAVOR-21 オーバーホール 組み立て編
2回に分けて お送りする「S&T製 タボール TAVOR-21」
お待たせしました!やっと其の組み立て編です。

今回は、「よろしく!!GUNドックオリジナルチューニングメニュー GT3仕様」で仕上げます。
命中精度を向上させ、チューニングパーツは多用せず必要最低限の仕様です。
しかも今回はとにかくローコスト、純正部品流用チューンでいきます。
「たったこれだけで??この性能!!」がコンセプト
チューニング部品に頼らず、組み付け技術で勝負です。
お待たせしました!やっと其の組み立て編です。

今回は、「よろしく!!GUNドックオリジナルチューニングメニュー GT3仕様」で仕上げます。
命中精度を向上させ、チューニングパーツは多用せず必要最低限の仕様です。
しかも今回はとにかくローコスト、純正部品流用チューンでいきます。
「たったこれだけで??この性能!!」がコンセプト
チューニング部品に頼らず、組み付け技術で勝負です。

前回部品洗浄まで行いましたね。
S&T製タボール初期型はプラ製メカボックスです。
安物で作りはかなりショボイと思われがちですが、かなり出来がいいです。
バリ等も少なく、端々までよく考えられている設計です。
ただプラメカボだから剛性が無いだけです。
ネガな悪癖は、わかってればそれはもう悪癖ではありません。
軸受け
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軸受けは純正のままメタル軸受を使います。
ベアリングを使ってコストを上げるわけもいきませんし、
剛性の無いメカボですからキッチリとギア軸を保持する必要もありません。
ガタの少しあるメタル軸受で十分でしょう。
タペットプレートとシム調整
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タペットプレートが折れていますね。
幸いにも、「マルイ純正次世代AK」とのタペットプレートと同形状のようです。
ちょうどそのタペットプレート中古品があったのでこれを使いましょう。

タペットプレートが折れてしまった原因は多々あると思います。、
簡単に考えればタペットプレートの品質が悪く強度が無かっただけでしょうが、
それだけではなさそうです。
シム調整時によく言われる言葉で「下側シムは出来る限り薄い物を使いましょう。」
ですがそれをこのタボールに実行するとタペットプレートと
セクターギアのタペットカム部の面の接触があまくなります。
写真ですとセクターギアのシムを増してもう少し上にあげて、ツライチにするべきでしょう。

「シム調整は、スパーギアの下のシムを極力薄く...。」
はあくまでマルイベースのメカボックスに言えることなだけで、
ギア上下のクリアランスにかなり余裕のあるメカボックスには当てはまりません。
セクターギアはタペットプレートとピストンラックギアの
接触位置を優先に考えシム調整をします。
ベベルギアはモーターピニオンギア調整の範囲内になるように
上側シムの厚さを調整します。下側シムはガタが少くなるように、
もしくは必要すらありません。
そして最後にスパーギアをセクターギアとベベルギアのギア歯に合わせて、
かつギア側面とメカボ壁面に接触しない位置にシム調整します。

ある程度のシム位置が決まりましたら、メカボックスを閉じます。
剛性の無いプラメカボですのでネジの締め付けトルクは最低限にします。
強く締めるとメカボックスが歪んでしまいます。
手でセクターギアを回しスルスルと回るか確認します。

何度か調整を重ねベストなギアシム調整を目指しましょう。
言い忘れましたが、今回のセクターギアは数ある中古在庫の中から
軸部が微妙に径の太いエラー品を選別しメタル軸受けとのガタが少なくなるようにセットしました。
ピストンラックギア部とセクターギアのクリアランスのブレを少なくする為です。

3つギアを組み込んだ状態でタペットプレートを組み込み、
タペットがスムーズに動くかのテストをします。
ギアでは問題なく回りましたが、タペットを組んだら途中でロックしてしまいました...。

タペットプレート後部とベベルギアが干渉してしまうようです。
干渉部分を削って対応します。
流用部品ですのでこのぐらいの加工は必要です。
そのまま組んでいたら、即メカボックスブローは免れなかったでしょう。
「メカボックスブローは無知ゆえの結果。」危ないところでした。
トリガー廻りの組み立て
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カットオフレバーを取り付けます。
軸部にグリスを塗っておきます。

トリガースイッチボックスを取り付けます。

トリガーマイクロスイッチを取り付けます。

トリガーカムを取り付けます。
モーターとピニオンギアクリアランス調整
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モーターも数ある机モーターの在庫を片っ端から回していき、
いちばん元気のあるモーターを選別しました。
モーターに「M246」と書いてありますがきっと、
「国道246」と「M249」が混同しているのでしょう。
「M249」に使われていたモーターだと思います。

シム調整されたベベルギアと選別したモーターを取り付けます。

バッテリーを取り付けトリガーを引きモーターを回転させます。
モーターで、ベベルギアのみを回転させて、ギアノイズを注意深く聞きましょう。
モーター調整ネジを閉めていくと(時計回り)、途中から、ガリガリ異音がしてきますので、
そこから30度ほど緩め(反時計回り)ます。異音が鳴らないギリギリの位置を探りましょう。
調整が終わったら、メカボックスを開ける所までまた分解します。
ピストンアッセンブリー
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タボールのシーリングノズルは20.6mmです。
通常ならAKロングタイプノズルですが、
チャンバーを仮組みしてみたところ、もう少し長くしたほうが
チャンバーパッキンとの接触部気密漏れを防げ、
BB弾保持位置もベストな位置になりそうでしたので、
マルイ純正M4用21.1mmシーリングノズルを流用します。

ピストンはタボール純正にとりあえず吸気穴を
開けてみましたがイマイチでした。

赤いアルマイト処理されたタボール純正フルシリンダーですが、
内径がちょっとだけ通常より広いようで、どのピストンヘッドを組んでも
気密がキッチリと確保できません。
おもいきって、マルイ純正フルシリンダーに変更します。

ピストンヘッドも「マルイ純正次世代AK」のピストンヘッド中古品に変更します。
ピストンヘッドOリングもマルイ純正Oリング中古品に変更しました。
両方とも2年ほど使われていた次世代AKの部品ですが、
マルイのOリングは非常に品質がよくその程度では劣化せず、
また外気温による収縮、膨張もしづらい大変良いものです。
どこのメーカーかは申し上げませんが、寒さで収縮しピストン気密が
取れなくなる酷いOリングがありました。

ピストンはラックギア部が専用設計のようですのでそのままタボール純正品を使います。
(確認はしていませんがラックギアハーフタイプなら使えるかもしれません。)

内部は表面研磨がされています。
毎度写真ではピカピカに磨かれているように見えますが、
実際にはヘアライン状の磨き傷が残されており、
自動車エンジンで言うホーニング加工と同じ効果があります。
この磨き傷にグリスが保持され、低摩擦、高気密が実現されます。
(と...いつものテンプレですが、この頃磨き傷を残すブログが増えてきましたw)

ピストンリングにシリコングリスを塗りこみピストンに組み込みます。

ピストンヘッドノズルの外周にもシリコングリスを忘れずに塗りこみます。

ピストン&シリンダーを組み込んで気密テストをしてみましょう。
ピストンを引き、シリンダー先端ノズルとピストン後部を指で押さえ圧縮します。
かなりきつく押し込んでも、エア漏れしません。

ピストン廻りを一式組み立てます。

スパーギア、セクターギアを取り付け、
取り付け方向を間違わないように逆転防止ラッチとバネを取り付けます。

ピストン廻り一式を組み込みタペットプレートスプリングを取り付け、
ベベルギアを取り付けます。

ネジを締め付けてメカボックスの完成です。
剛性の低いプラメカボックスですので締め付けは最低限に、
内側から外側に向けて各所を均等締めするのが基本です。
ネジロック剤を塗ってネジ緩み防止をしましょう。

トリガーアーム、ボルトリリースアームを取り付けます。
スプリングが付いていますので飛ばさないように付けましょう。

メカボックス左側面に裏返し、
セレクターアーム、逆転防止ラッチリリースアームを取り付けます。
スプリング
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スプリングも選別品を使います。
タボール純正、MagpulAK純正、PDW純正、マルイM4HC純正、SHS M90
片っ端からテストします。
タボールはスプリング交換が容易で助かります。

結局SHS M90を採用することになりました。
(なお...タボール純正スプリングはSHS90よりバネレートが上と言う事です。)

ポートカバースプリングを取り付けます。

エジェクションポートカバーを取り付けます。
上側ねじ2本です。
バレル&チャンバー
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タボール純正インナーバレルは、アルミ製 430mm 内径6.1mm アルマイト加工品です。
430mmと言うとマルイレシーライフルに組めるインナーバレルと同寸法になります。
プルバップタイプの銃は全長が短く取り回しがしやすいのに、
ロングバレルで命中精度を向上できるすばらしいパッケージングですね。
内径6.1mmと言うことは、今主流のルーズバレルとも言えるでしょう。
内径寸法が大きいほど、寸法公差が大きくでき不良品率が低いだけなんでしょうが...。
ついでに申し上げますと、アルマイト処理(陽極酸化処理)はこのような細長く内径の狭い
アルミの筒の内部奥まで処理することが出来ません。
概観は赤いアルマイトですが内部はアルミ生地のままでしょう。

いつものように、バレル出口は奥20mmからの緩やかなテーパー、
内部は研磨されていますが、アルマイト部は鏡面にはなりません。

タボールのホップラバー部はひょうたん型の専用設計です。
確か「MAGPUL PTS MASADA ACR」もこんな感じでしたね。

長掛けホップのNホップ構造に加工します。
タボール純正ホップパッキンが硬度軟らかめでしたので
変えずに使います。
裏返してよく切れるニッパーでコブを切断します。
テキトウですが左右対称にスパッと切れています。
綺麗に切れたので鑢がけも無しです。

いつもならチャンバーラバーは「FireFly なまず辛口」を使用しますが、
コストダウンのためと専用設計ひょうたん型ホップラバーでしたので工夫が必要です。
テキトウなゴムシートを取り出して、ホップ窓寸法に合わせて四角く切り出します。

このゴム破片をホップラバー表側のホップ窓上付近に
瞬間接着剤で貼り付けます。

繊細にしてアバウトな技術力!!で見事に貼り付け完了。
「よろしく!!GUNドック オリジナルNホップパッキン」の完成です。
単純な加工ながらこれでよくある、面掛けホップラバーと同じ役割になります。
ホップラバー部は各社色々出回っていますが、銃に合わせて選択しています。

チャンバーホップ窓部から覗くとベストな位置に面ホップラバーバーが出てきています。

ホップ窓からホップパッキンが水平に降りてきていますね。

いつもの様に、紙テープ螺旋巻きでアウターバレルとのクリアランスを詰めておきます。
外装の組み付け
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メカボックスをフレームに挿入します。
長い配線とセレクターロッド、トリガーロッドが少々引っかかりますが、
丁寧に装着しましょう。

メカボックスから伸びているトリガーロッドをトリガー側に取り付けます。
トリガーのイモねじをしっかり締め付けましょう。

バレルロックベース下を取り付けます。

バレルを取り付けます。
バレルロックベース上を取り付けます。

マガジン挿入口奥のねじ2本を取り付けます。

ボルトリリースレバーを取り付けます。
メカボックスが固定されているストック部のロックピン4本とハトメネジ を取り付けます。

アッパーレールを取り付けます。

前回加工したフレームレールロックネジを締めこみます。

ハンドガード兼バッテリーケース蓋を取り付けます。
性能チェックと不具合改善
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初速は96程度になりました。
ちょっと高すぎですね。

バネをカットして落とすことにしました。
試射は、いつもお世話になっております焼津スペシャルフォースのシューティングレンジで行います。
命中精度は上々ですが、ガラガラとギアが鳴った後
2重給弾してしまう不具合があります。
依頼主に聞きましたら「買ったときからそうなると言っていました。」
初めに言って下さい。w
早速ファクトリーに持ち帰り、再度全分解し原因を究明します。

逆転防止ラッチがしっかりと掛からず、ギアが逆戻りし2重給弾になるようです。

逆転防止ラッチスプリングが弱いのが原因です。

逆転防止ラッチスプリングを引っ張って、張りを強くします。

逆転防止ラッチがピーン!とそそり立つようになりました。
これで逆転2重給弾の不具合が改善されました。

プルバップタイプで全長が短くプラ製ボディーで軽量。
ロングバレルで命中精度も上々。
安物タボールでしたが、最高の戦闘マシーンに生まれ変わりました。
私も欲しくなりました。^^

依頼主は、前線に急ぐアタッカーなので軽量コンパクトな上に、
隙間を狙い撃つ事が出来るチューンドタボールに大満足でした。
おかげで次に、次世代M4のチューニング依頼をいただきました。
S&T製 タボール TAVOR-21 オーバーホール 分解編
NEXT
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次回は...
順番を変えまして、
マルイ次世代HK416分解編とフルチューニング編をご紹介します。

ただでさえ良くあたる416を「フルチューンしてくれ!」との太っ腹なご依頼です。
最強の416に仕上げますのでお楽しみに!!
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G&D 製 DTW M4 中華トレポン オーバーホール 組み立て編
G&D 製 DTW M4 中華トレポン オーバーホール 分解編
RETRO ARMS の FCU 取り付け
King Arms 製 ナイツ SR-16 オーバーホール 組み立て編
King Arms 製 ナイツ SR-16 オーバーホール 分解編
ARES製 GSG G14 オーバーホール 組み立て編
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気密とれすぎて初速大丈夫かなと思ったら、純正より弱いスプリングをさらにットして使用→メカボへの負担も軽減し、耐久性アップ
と素晴らしいレシピでした。
「初めに言ってください」「そそり立つ」は今回のお笑いポイントでしたね。それくらい余裕を持って作業されていらっしゃるのですね。またサーモンさんに
注文したくなってきました。
注文してください。
どのように手順を踏めばよろしいでしょうか。
よろしく!!お願いします。
マルイがボーイズじゃなくて次世代で
タボール出してくれれば良いのですがね・
メールを送りましたのでご検討お願いします。
よろしく!!お願いします。
パーツはなにがよろしいでしょうか?
依頼するとおいくらになりそうでしょうか?
よろしくお願いします。
ハイサイ化と飛距離や命中精度は両立できません。
飛距離や命中精度の向上を望むと秒間16発程度まで。
秒間20発程度を望むとなると飛距離や命中精度は落ちます。
秒間25発以上を望むとチューナにとって定期的に整備が入る
よいお客さんとなります。
パーツは何がよろしいのかと聞かれますと、売られているパーツの殆どがダメ。
加工を必ずしないとならない素材でしかなく、加工するなら何でもよい。
とりあえずメールを送りましたのでご検討お願いします。
よろしく!!お願いします。
ブログを読ましてもらいかなり参考になりました!
ありがとうございます。
しかし、同じように組んだはずなのですが、セミが撃てなくなり、弾も出なくなりましたなぜでしょうか?
その銃を見ていないので分かりませんが、
たぶん同じように組んでいないんだと思います。
セミが撃てないのはカットオフレバーの組み付けミスとか、
セレクターロッドが外れているとか??
弾が出ないのは、タペットプレートとノズルの組み付けミスとか、
弾がたまたまマガジンに入っていないとか??
ではないかと思います。
って事でもう一度やり直してください。
私の所有しているtavorもチューニングをお願いしたいと考えております。
方向性としては、飛距離・精度の向上を考えております。
なにとぞy路惜しくお願いいたします。
チューニングは受け付けておりますが、
超多忙な物で1年待ちとなっております。
長すぎて待ちきれないかと思いますが其れでもOKでしたら、
「作者にメッセージを送る」から連絡をください。
なにとぞよろしく!!おねがいします。
S&T TAVOR-21 EXPLORER VER をもらったのですが
箱から出して試し撃ち、書き込みできないような数値が表示され驚愕
箱に書いてあるTEST84m/sって嘘ジャン!
んで分解方法を探しいたらここにたどり着きました。
大変参考になりました。
シリンダとピストンばね付をマルイSG-1純正にして92m/sに落ち着きました。
しかもグリス塗りすぎだったのでパーツクリーナで洗浄
バイクと車に使ってるワコーズのシリコングリスで全部済ませました。
実戦投入すると、軽くて取り回しも割と良い物でした。
お役に立てて良かったです。
ワコーズのシリコングリスは良い物です。
これはどういうことなんでしょう?
メカボを少し削らないといけないんでしょうか?
分解する時どのようにやりましたか?
その逆をやればイイだけなんですがね。
スプリングを入れずにスプリングガイドを90度に回して
入れてみて無理なら加工すれば良いでしょう。
無事、解決しました。
ありがとう!!
今回のこの記事、とても参考になりました。
そこで質問なのですが、自分が持ってるS&T タボール-21は集団性と飛距離が悪いです。
これらを良くするにはどうしたらよいですか?
よろしくお願いします。