2012年06月25日
マルイ ステアーHC(ハイサイクル) オーバーホール 組み立て編

2回に分けて お送りする「マルイ ステアーHC(ハイサイクル) のオーバーホール」
今回は、其の組み立て編 なのね~!
今回依頼されたステアーは、「次世代AK N-1仕様 」を試射して頂き、
その命中精度の高さをえらく気に入っておりました
スペシャルフォースの代表 GMカーネル氏の銃です。
チューニングに関しては、好きにして良いとの事なので色々と考えました。
------------チューニング案--------------
①:ハイサイクルを生かしたまま初速と命中精度の向上のライトチューン
②:外見は「マルイ ハイサイ」なのに中身は「流速チューン」
③:スワロフスキーを散りばめた「デコレーション電動ガン」通称:デコ電ですね
---------------------------------
①は優等生な考えで普通すぎですね。
②は流速チューン禁止フィールドの代表に「流速チューン」を
「最高の銃です!!ただしあなたのフィールドでは使えません!」
と言ってお渡しするブラックジョーク。
③はあの、お○さん にキラキラはムリか...。
当然のように無難なチューニング案①に決定です。
しかしその決定の中でも多岐のチューニング仕様が選定テストされ、
なんだかんだで10回程度メカボックスを組み直しています。
今回はもっともバランスの良いチューニング方法が採用されました。
ギアのシム調整
****************************************
スパーギーアのシム調整

ギアのシム調整は1つ づつギアを組んでクリアランスを煮詰めていきます。
まずはスパーギアのシム調整を行います。
スパーギーアの下側シムは出来る限り薄いシムを組みます。

メカボックスを閉じ、ギアの軸を爪で左右に動かしてみます。
ガタが多いようでしたら上側シムを厚めにしてみる。
ギアの回転が渋いようでしたら上側シムを薄くしてみる。
この作業を繰り返し、納得のいくクリアランスにします。
セクターギアのシム調整

セクターギアをスパーギア側面に触れないギリギリのシム厚に選定していきます。
ベベルギアのシム調整

ベベルギアの高さはスパーギアのギア端とベベルギア端がツライチになるようにします。
まあ...最初についていたシムで普通はその状態になります。

各ギアのシム調整が完成しました。
上側のシムが最初の状態より厚くなる結果になりました。
シム調整が終わったらシム位置を間違わないように管理しましょう。

次はピニオンギアとベベルギアのクリアランス調整をするのですが、
メカボックス内すべてを分解してしまいましたので、モーターを回転させる事が出来ません。
トリガー廻りの組み立てをまずはします。
---------注意-----------
お気づきかと思いますが当オーバーホールブログは、
前に書いた記事の文章をそのまま貼り付ける
テンプレート型になりつつあります。
時々違う新規文章をお楽しみください。
----------------------
トリガー廻りの組み立て
****************************************

カットオフレバーを取り付けます。
軸部にグリスを塗っておきます。

メカボックス左側を裏返し、カットオフレバースプリングを飛ばさないように取り付けます。

「ぷに!ぷにっ!!」とバネでテンションがあるか確認しましょう。

分解されていた接点をネジ2つで固定します。

トリガースイッチを取り付けます。
トリガースイッチスプリングを飛ばさないように、押さえながら取り付けます。
黄色マルの接点部分に、タミヤの接点グリスを塗布します。

トリガーとトリガースプリングを組み付けます。

シム調整されたベベルギアのみ取り付けます。

メカボッックスを閉じモーターホルダーを取取り付けます。
ベベルギア付近のネジ3本をしっかり締め付けましょう。
これでモーターを回転させることが可能となります。
ピニオンギアとベベルギアのクリアランス調整

バッテリーを取り付けトリガーを引きモーターを回転させます。
モーターで、ベベルギアのみを回転させて、ギアノイズを注意深く聞きましょう。
モーター調整ネジを閉めていくと(時計回り)、途中から、ガリガリ異音がしてきますので、
そこから30度ほど緩め(反時計回り)ます。異音が鳴らないギリギリの位置を探りましょう。
調整が終わったら、メカボックスを開ける所までまた分解します。
メカボックス組み立て
****************************************
ギア組み込み

スパーギア、セクターギアを取り付け、
取り付け方向を間違わないようにラッチとバネを取り付けます。

ラッチを下に押し下げ、ベベルギアを取り付けます。
ピストン廻り組み立て

マルイ純正のハイサイ用ピストン&シリンダーを使います。
ピストンは軽量ですし耐久性もありますので、社外品は必要ないでしょう。

ピストンリング、シリンダー内、ピストンヘッドノズルの外周に
シリコングリスを塗りこみピストンに組み込みます。

ピストン&シリンダーを組み込んで気密テストをしてみましょう。
ピストンを引き、シリンダー先端ノズルとピストン後部を指で押さえ圧縮します。

かなりきつく押し込んでも、エア漏れしなければ問題ありません。
おかげで指にノズルの跡がくっきり付いてしまいました。
---------注意---------------
上記2枚の写真には金色のノズルが付いていますが、
これは旧型ステアーAUGの社外ノズルです。
ステアーHCとステアーAUGのノズルはサイズが違います。
従いましてステアーAUGのノズルをステアーHCに
流用できません。
また、今現在ステアーHCの社外ノズルは発売されていません。
ステアーHCのマルイ純正ノズルをお使いください。
--------------------------

ピストン廻り一式を組み込みタペットプレートスプリングを取り付けます。
メインスプリングを圧縮しながら、シリンダーとメインスプリングを押さえつけて、
メカボックスを閉じます。
ネジは基本的に内側から外側に向けて各所を均等締めするのが基本です。
締め付けが完了したら、ノズルは最前進していると思いますので、
指で押してみて前後に動くか確認しましょう。
ラッチが設定どおり組み込まれているかも下側から覗き込み確認しましょう。

ストッパーレールを後方にスライドし取り付けます。

モーターホルダーとセクターギアカバーを取り付けます。
フルオートスイッチにタミヤ接点グリスを塗布します。
この段階でモーターを取り付け、作動チェックをしてみると良いでしょう。
ちゃんと圧縮空気が出るか?
発射1サイクルごとにノズルがしっかり前後するか?
ラッチが作動しサイクル途中で止まるか?
セミオートとフルオート共に確認をします。
問題なく作動すれば、メカボックスの完成です。

エジェクションポートカバーを取り付けます。

ボルトスプリングセットを取り付けますが、
このスプリングは結構な回数「ばびょーーーん!!」をやらかします。
部品を曲げて壊さないように注意しましょう。

メカボックスを銃本体に挿入します。
配線が引っかからないように、エジェクションポートカバーが外れないように
注意しながら挿入しましょう。
取り外す時は大変だったメカボックスですが、入れるときは結構簡単です。
(ええ。私は10回ほどやったので取り外すのも楽勝です。)

メカBOXリアプレートを取り付け、ネジ2本を締めます。
バレルとホップチャンバーの加工
****************************************

バレルはマルイ純正品を使用し、加工します。
当ファクトリーのバレル加工は、旋盤、フライス盤など使用せず、
職人の手作業ですべて完成します。
いつものようにNホップ構造にしようと思い、
削っていったら左右の削りバランスがうまく取れずに、修正していったら
削りすぎてしまいました!!!!
「うーーーん...。 あの人の銃だし...まぁいいか!!こんなんでも。」
前々から考えていた形状だしこれを「Nホップ構造Ver.2」と名づけちゃおう!!
今までネット等でも見たことが無いホップ窓になりましたが、
この蓮切りホップ窓をたくさんの人がなんとなく真似れば、
それがスタンダードになるでしょう。w
「うん!うん!これでOK!」

バレル射出口もお決まりのファンネル形状加工で決まり!
奥20mmからの緩やかなテーパー形状で拡大されています。

バレル内部も鏡面加工が施されています。
今回からより鏡面が際立つ鏡面加工用研磨剤が採用されました。

チャンバーパッキンは「マルイ純正チャンバーパッキン 」
チャンバーラバーは「FireFly なまず辛口」を使用します。

無論そのままではなく、加工が施されています。

ホップ窓からホップパッキンが水平に降りてきていますね。
バレルアッセンブリーを銃本体に組み付けて完成です。
不具合の修正
****************************************
完成したステアーを試射してみたら最初は良いのですが、
途中で給弾不良が多発しました。
ステアーAUGには給弾不良が多発すると聞きます。
この給弾不良を解決しない事に納品出来ませんので改善します。
今回起きた給弾不良は、主に2つが原因であることを突き止めました。
①マガジンの給弾不良
②チャンバー内弾詰まりによる不良
①マガジンの給弾不良改善
今回お預かりしたステアーマガジンが旧型の物でした...。
ハイサイクルのステアーには給弾不良が解決された
改良型マガジンが付属していますが、旧型のマガジンを予備として流用したり
旧型の予備マガジンを買ってしまうこともあると思いますので、
マガジン側で給弾が怪しい場合は確認してみると良いでしょう。

マガジン底面のネジを外します。

引き抜けば簡単に多弾メカが取り外せます。

旧型のマガジンは弾の通り道の底部に砂等のゴミを落とす為でしょうか
穴があります。
弾を補給して途中で止めるとちょうど穴にBB弾が引っかかってしまいました。

この穴をフラ板で塞いでしまいましょう。
瞬間接着剤の付きの良いプラスチックなら何でも良いです。
底部の穴を覆う適当な大きさに切ります。

外側から貼り付け、接着剤が中に入り込まないように注意しょう。

これだけでマガジン側の給弾不良は解決できました。
②チャンバー内弾詰まりによる不良
試射中に何度も弾が発射されなくなり、その次に弾が2発 発射される不具合に悩まされました。
正常な時は「ボスン!!」と発射音がして、不発の時は「ボフン!!」とこもった発射音がしました。
不発の時にマガジンを抜き、バレルアッセンブリーを確認したらチャンバー内には弾が
ちゃんと給弾されており、給弾までは問題なく行われているのに発射されない不具合です。
テスト実験

弾を1発チャンバー内に落とし込みます。

棒で弾を押し出してみます。
正常なら、非常に弱い力で押しても簡単に弾がチャンバーから
抜けバレルに転がり落ちて行きます。
今回の不具合が発生したこのバレルではものすごく硬く弾は抜けてくれませんでした。
これだけ抜けが悪いのでは、ピストンからの圧縮空気でも抜けてくれず、
発射音が「ボフン!!」とこもった音になるのもうなずけます。

バレル固定リングを外しインナーバレルをほんの少し(0.5ミリ程度)抜いて
チャンバーへのインナーバレル固定を浅くしてみます。
この状態で同じテストを試してみると、弱い力で押しただけで弾がチャンバーから
抜けだしてくれました。
今度はインナーバレルをチャンバーへしっかりと押し込んで同じテストをしたら
また弾が抜けなくなってしまいました。
この実験で、純正チャンバーの弾保持力が強すぎて、
弾を開放できずに発射されない不具合であったのを確認しました。
チャンバー内弾詰まり解決方法

ものすごく簡単な解決方法としては、シリコンスプレーをたっぷり
チャンバー内部に塗布するだけで治ります。
しかしそれでは、ホップアップが不安定になってしまうのでやりたくありません。
今回は、インナーバレルをほんの少し浮かした状態でチャンバーへの固定
が出来るように、インナーバレルのバレル固定ミゾ後側を削ってバレル固定リング
で固定後にバレルを引っ張って抜き気味にして組み付けました。
これだけでチャンバー内弾詰まりは解決です。
-----------注意-----------------
チャンバー内弾詰まり解決方法がココに書かれていたからといって、
安易に同じ事はしないで下さい。
実際に上記に書かれているテスト方法をご自身で試してから、
弾抜けが悪いのを確認してから少しづつ削って慎重に作業してください。
削りすぎてしまったら、今度は弾ポロ不具合に悩まされてしまいます。
ほんの0.5ミリ以下の作業で失敗は許されません。
(と、さきほど削り過ぎちゃった奴が偉そうに言ってみる。)
------------------------------
完成と納品試射
****************************************

初速は純正無改造の83程度からおおよそ10アップの
平均93程度になりました。
この初速になるまでに4種類のスプリングをテストしました。

発射サイクルは、純正無改造の秒間25発から秒間20発になりました。
初速向上のためスプリングレートを上げたのでトレードオフとして発射速度が落ちたようです。
ただ前にも言いましたが、この弾速計かなり適当です。

当ファクトリーは、依頼主と試射を行い性能を納得して頂いた上で納品する形を取っています。
今回は夜の焼津スペシャル・フォースのシューティングレンジでの試射になると予想し、
弾道が見えやすいようにスコープとタクティカルライトを装備しました。
(あとでスコープとライトは返してもらいます。)
ホップ調整とスコープのゼロインは前もって適当に済まして置きます。

依頼主GMカーネル氏に試射していただき、
「VSR10いらんじゃん。」「電動でココまでの命中精度が出るのはすばらしいと。」
お褒めのお言葉を頂きました。
カーネル氏は、なんだか?の射撃大会(ワスレタ)でも優勝された腕前でして、
命中精度の品質も普通の方より厳しものでした。
ですが「弾が素直だね!!」とお褒めのお言葉を頂いた時に、
私が「ええ。私と同じで素直なんですよ。」と申し上げたところ
急に命中率が落ちました。
集中力が足りないのだと思います。
と、そんな事より依頼主も性能に大満足、私も良い仕事が出来て大満足。
途中不具合だらけで海に投げ捨ててやろうか!!と思える銃ですが投げ捨てなくて良かったです。
そして今回起きた不具合の解決方法が、同じような不具合で悩むステアーユーザー
への不具合解決ヒントになればうれしい限りです。
NEXT
*********************************
次回は...
マルイ次世代M4分解編
社外チューニング部品嫌いが社外チューニング部品で組むフルチューンドガン
オプスコアヘルメットの改造
えびのてんぷらの分解
のいづれかをやる予定です。
ついでに中華のM4系2丁予約しちゃったので
それも即分解しちゃうし、
MAGPUL PDRが出たら即買って分解する気満々だし
マルイPS-90のチューニング依頼の声が掛かっているので
とにかく分解しちゃうので、そこん所よろしく!!
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マルイ ステアーHC(ハイサイクル) オーバーホール 分解編
その命中精度の高さをえらく気に入っておりました
スペシャルフォースの代表 GMカーネル氏の銃です。
チューニングに関しては、好きにして良いとの事なので色々と考えました。
------------チューニング案--------------
①:ハイサイクルを生かしたまま初速と命中精度の向上のライトチューン
②:外見は「マルイ ハイサイ」なのに中身は「流速チューン」
③:スワロフスキーを散りばめた「デコレーション電動ガン」通称:デコ電ですね
---------------------------------
①は優等生な考えで普通すぎですね。
②は流速チューン禁止フィールドの代表に「流速チューン」を
「最高の銃です!!ただしあなたのフィールドでは使えません!」
と言ってお渡しするブラックジョーク。
③はあの、お○さん にキラキラはムリか...。
当然のように無難なチューニング案①に決定です。
しかしその決定の中でも多岐のチューニング仕様が選定テストされ、
なんだかんだで10回程度メカボックスを組み直しています。
今回はもっともバランスの良いチューニング方法が採用されました。
ギアのシム調整
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スパーギーアのシム調整

ギアのシム調整は1つ づつギアを組んでクリアランスを煮詰めていきます。
まずはスパーギアのシム調整を行います。
スパーギーアの下側シムは出来る限り薄いシムを組みます。

メカボックスを閉じ、ギアの軸を爪で左右に動かしてみます。
ガタが多いようでしたら上側シムを厚めにしてみる。
ギアの回転が渋いようでしたら上側シムを薄くしてみる。
この作業を繰り返し、納得のいくクリアランスにします。
セクターギアのシム調整

セクターギアをスパーギア側面に触れないギリギリのシム厚に選定していきます。
ベベルギアのシム調整

ベベルギアの高さはスパーギアのギア端とベベルギア端がツライチになるようにします。
まあ...最初についていたシムで普通はその状態になります。

各ギアのシム調整が完成しました。
上側のシムが最初の状態より厚くなる結果になりました。
シム調整が終わったらシム位置を間違わないように管理しましょう。

次はピニオンギアとベベルギアのクリアランス調整をするのですが、
メカボックス内すべてを分解してしまいましたので、モーターを回転させる事が出来ません。
トリガー廻りの組み立てをまずはします。
---------注意-----------
お気づきかと思いますが当オーバーホールブログは、
前に書いた記事の文章をそのまま貼り付ける
テンプレート型になりつつあります。
時々違う新規文章をお楽しみください。
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トリガー廻りの組み立て
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カットオフレバーを取り付けます。
軸部にグリスを塗っておきます。

メカボックス左側を裏返し、カットオフレバースプリングを飛ばさないように取り付けます。

「ぷに!ぷにっ!!」とバネでテンションがあるか確認しましょう。

分解されていた接点をネジ2つで固定します。

トリガースイッチを取り付けます。
トリガースイッチスプリングを飛ばさないように、押さえながら取り付けます。
黄色マルの接点部分に、タミヤの接点グリスを塗布します。

トリガーとトリガースプリングを組み付けます。

シム調整されたベベルギアのみ取り付けます。

メカボッックスを閉じモーターホルダーを取取り付けます。
ベベルギア付近のネジ3本をしっかり締め付けましょう。
これでモーターを回転させることが可能となります。
ピニオンギアとベベルギアのクリアランス調整

バッテリーを取り付けトリガーを引きモーターを回転させます。
モーターで、ベベルギアのみを回転させて、ギアノイズを注意深く聞きましょう。
モーター調整ネジを閉めていくと(時計回り)、途中から、ガリガリ異音がしてきますので、
そこから30度ほど緩め(反時計回り)ます。異音が鳴らないギリギリの位置を探りましょう。
調整が終わったら、メカボックスを開ける所までまた分解します。
メカボックス組み立て
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ギア組み込み

スパーギア、セクターギアを取り付け、
取り付け方向を間違わないようにラッチとバネを取り付けます。

ラッチを下に押し下げ、ベベルギアを取り付けます。
ピストン廻り組み立て

マルイ純正のハイサイ用ピストン&シリンダーを使います。
ピストンは軽量ですし耐久性もありますので、社外品は必要ないでしょう。

ピストンリング、シリンダー内、ピストンヘッドノズルの外周に
シリコングリスを塗りこみピストンに組み込みます。

ピストン&シリンダーを組み込んで気密テストをしてみましょう。
ピストンを引き、シリンダー先端ノズルとピストン後部を指で押さえ圧縮します。

かなりきつく押し込んでも、エア漏れしなければ問題ありません。
おかげで指にノズルの跡がくっきり付いてしまいました。
---------注意---------------
上記2枚の写真には金色のノズルが付いていますが、
これは旧型ステアーAUGの社外ノズルです。
ステアーHCとステアーAUGのノズルはサイズが違います。
従いましてステアーAUGのノズルをステアーHCに
流用できません。
また、今現在ステアーHCの社外ノズルは発売されていません。
ステアーHCのマルイ純正ノズルをお使いください。
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ピストン廻り一式を組み込みタペットプレートスプリングを取り付けます。
メインスプリングを圧縮しながら、シリンダーとメインスプリングを押さえつけて、
メカボックスを閉じます。
ネジは基本的に内側から外側に向けて各所を均等締めするのが基本です。
締め付けが完了したら、ノズルは最前進していると思いますので、
指で押してみて前後に動くか確認しましょう。
ラッチが設定どおり組み込まれているかも下側から覗き込み確認しましょう。

ストッパーレールを後方にスライドし取り付けます。

モーターホルダーとセクターギアカバーを取り付けます。
フルオートスイッチにタミヤ接点グリスを塗布します。
この段階でモーターを取り付け、作動チェックをしてみると良いでしょう。
ちゃんと圧縮空気が出るか?
発射1サイクルごとにノズルがしっかり前後するか?
ラッチが作動しサイクル途中で止まるか?
セミオートとフルオート共に確認をします。
問題なく作動すれば、メカボックスの完成です。

エジェクションポートカバーを取り付けます。

ボルトスプリングセットを取り付けますが、
このスプリングは結構な回数「ばびょーーーん!!」をやらかします。
部品を曲げて壊さないように注意しましょう。

メカボックスを銃本体に挿入します。
配線が引っかからないように、エジェクションポートカバーが外れないように
注意しながら挿入しましょう。
取り外す時は大変だったメカボックスですが、入れるときは結構簡単です。
(ええ。私は10回ほどやったので取り外すのも楽勝です。)

メカBOXリアプレートを取り付け、ネジ2本を締めます。
バレルとホップチャンバーの加工
****************************************

バレルはマルイ純正品を使用し、加工します。
当ファクトリーのバレル加工は、旋盤、フライス盤など使用せず、
職人の手作業ですべて完成します。
いつものようにNホップ構造にしようと思い、
削っていったら左右の削りバランスがうまく取れずに、修正していったら
削りすぎてしまいました!!!!
「うーーーん...。 あの人の銃だし...まぁいいか!!こんなんでも。」
前々から考えていた形状だしこれを「Nホップ構造Ver.2」と名づけちゃおう!!
今までネット等でも見たことが無いホップ窓になりましたが、
この蓮切りホップ窓をたくさんの人がなんとなく真似れば、
それがスタンダードになるでしょう。w
「うん!うん!これでOK!」

バレル射出口もお決まりのファンネル形状加工で決まり!
奥20mmからの緩やかなテーパー形状で拡大されています。

バレル内部も鏡面加工が施されています。
今回からより鏡面が際立つ鏡面加工用研磨剤が採用されました。

チャンバーパッキンは「マルイ純正チャンバーパッキン 」
チャンバーラバーは「FireFly なまず辛口」を使用します。

無論そのままではなく、加工が施されています。

ホップ窓からホップパッキンが水平に降りてきていますね。
バレルアッセンブリーを銃本体に組み付けて完成です。
不具合の修正
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完成したステアーを試射してみたら最初は良いのですが、
途中で給弾不良が多発しました。
ステアーAUGには給弾不良が多発すると聞きます。
この給弾不良を解決しない事に納品出来ませんので改善します。
今回起きた給弾不良は、主に2つが原因であることを突き止めました。
①マガジンの給弾不良
②チャンバー内弾詰まりによる不良
①マガジンの給弾不良改善
今回お預かりしたステアーマガジンが旧型の物でした...。
ハイサイクルのステアーには給弾不良が解決された
改良型マガジンが付属していますが、旧型のマガジンを予備として流用したり
旧型の予備マガジンを買ってしまうこともあると思いますので、
マガジン側で給弾が怪しい場合は確認してみると良いでしょう。

マガジン底面のネジを外します。

引き抜けば簡単に多弾メカが取り外せます。

旧型のマガジンは弾の通り道の底部に砂等のゴミを落とす為でしょうか
穴があります。
弾を補給して途中で止めるとちょうど穴にBB弾が引っかかってしまいました。

この穴をフラ板で塞いでしまいましょう。
瞬間接着剤の付きの良いプラスチックなら何でも良いです。
底部の穴を覆う適当な大きさに切ります。

外側から貼り付け、接着剤が中に入り込まないように注意しょう。

これだけでマガジン側の給弾不良は解決できました。
②チャンバー内弾詰まりによる不良
試射中に何度も弾が発射されなくなり、その次に弾が2発 発射される不具合に悩まされました。
正常な時は「ボスン!!」と発射音がして、不発の時は「ボフン!!」とこもった発射音がしました。
不発の時にマガジンを抜き、バレルアッセンブリーを確認したらチャンバー内には弾が
ちゃんと給弾されており、給弾までは問題なく行われているのに発射されない不具合です。
テスト実験

弾を1発チャンバー内に落とし込みます。

棒で弾を押し出してみます。
正常なら、非常に弱い力で押しても簡単に弾がチャンバーから
抜けバレルに転がり落ちて行きます。
今回の不具合が発生したこのバレルではものすごく硬く弾は抜けてくれませんでした。
これだけ抜けが悪いのでは、ピストンからの圧縮空気でも抜けてくれず、
発射音が「ボフン!!」とこもった音になるのもうなずけます。

バレル固定リングを外しインナーバレルをほんの少し(0.5ミリ程度)抜いて
チャンバーへのインナーバレル固定を浅くしてみます。
この状態で同じテストを試してみると、弱い力で押しただけで弾がチャンバーから
抜けだしてくれました。
今度はインナーバレルをチャンバーへしっかりと押し込んで同じテストをしたら
また弾が抜けなくなってしまいました。
この実験で、純正チャンバーの弾保持力が強すぎて、
弾を開放できずに発射されない不具合であったのを確認しました。
チャンバー内弾詰まり解決方法

ものすごく簡単な解決方法としては、シリコンスプレーをたっぷり
チャンバー内部に塗布するだけで治ります。
しかしそれでは、ホップアップが不安定になってしまうのでやりたくありません。
今回は、インナーバレルをほんの少し浮かした状態でチャンバーへの固定
が出来るように、インナーバレルのバレル固定ミゾ後側を削ってバレル固定リング
で固定後にバレルを引っ張って抜き気味にして組み付けました。
これだけでチャンバー内弾詰まりは解決です。
-----------注意-----------------
チャンバー内弾詰まり解決方法がココに書かれていたからといって、
安易に同じ事はしないで下さい。
実際に上記に書かれているテスト方法をご自身で試してから、
弾抜けが悪いのを確認してから少しづつ削って慎重に作業してください。
削りすぎてしまったら、今度は弾ポロ不具合に悩まされてしまいます。
ほんの0.5ミリ以下の作業で失敗は許されません。
(と、さきほど削り過ぎちゃった奴が偉そうに言ってみる。)
------------------------------
完成と納品試射
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初速は純正無改造の83程度からおおよそ10アップの
平均93程度になりました。
この初速になるまでに4種類のスプリングをテストしました。

発射サイクルは、純正無改造の秒間25発から秒間20発になりました。
初速向上のためスプリングレートを上げたのでトレードオフとして発射速度が落ちたようです。
ただ前にも言いましたが、この弾速計かなり適当です。

当ファクトリーは、依頼主と試射を行い性能を納得して頂いた上で納品する形を取っています。
今回は夜の焼津スペシャル・フォースのシューティングレンジでの試射になると予想し、
弾道が見えやすいようにスコープとタクティカルライトを装備しました。
(あとでスコープとライトは返してもらいます。)
ホップ調整とスコープのゼロインは前もって適当に済まして置きます。

依頼主GMカーネル氏に試射していただき、
「VSR10いらんじゃん。」「電動でココまでの命中精度が出るのはすばらしいと。」
お褒めのお言葉を頂きました。
カーネル氏は、なんだか?の射撃大会(ワスレタ)でも優勝された腕前でして、
命中精度の品質も普通の方より厳しものでした。
ですが「弾が素直だね!!」とお褒めのお言葉を頂いた時に、
私が「ええ。私と同じで素直なんですよ。」と申し上げたところ
急に命中率が落ちました。
集中力が足りないのだと思います。
と、そんな事より依頼主も性能に大満足、私も良い仕事が出来て大満足。
途中不具合だらけで海に投げ捨ててやろうか!!と思える銃ですが投げ捨てなくて良かったです。
そして今回起きた不具合の解決方法が、同じような不具合で悩むステアーユーザー
への不具合解決ヒントになればうれしい限りです。
NEXT
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次回は...
マルイ次世代M4分解編
社外チューニング部品嫌いが社外チューニング部品で組むフルチューンドガン
オプスコアヘルメットの改造
えびのてんぷらの分解
のいづれかをやる予定です。
ついでに中華のM4系2丁予約しちゃったので
それも即分解しちゃうし、
MAGPUL PDRが出たら即買って分解する気満々だし
マルイPS-90のチューニング依頼の声が掛かっているので
とにかく分解しちゃうので、そこん所よろしく!!
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マルイ ステアーHC(ハイサイクル) オーバーホール 分解編
ノーマルの保弾力を減少させる技術とマガジンの給弾不良解消法は、マルイさんに売れるのではないでしょうか? 難しい(トラブる)とされる本機種で、命中精度向上と信頼性向上を低コスト・高技術で両立させ、そのノウハウを惜し気もなく公開するとは!脱肛いや脱帽であります。
同じくステアーHCで出ていた給弾不良も、このプログを
参考にして解決いたしました。
ありがとうございます。
BUSHIさま ありがとうございます。
給弾不良が解決してなによりです。
今後とも当ブログ「よろしく!! GUNドック」
をよろしくお願いします。
毎度 飽くなき探求心とその技術に感服してます。
次回は是非、えびのてんぷらの分解・組み立てを
お願いします^^
腰は治りましたか??
えびのてんぷらは写真を撮る前に食べてしまいました。
従いまして分解編はありません。
申し訳ございません。
組み立て編はヤン隊長にでも依頼してください。
よろしくお願いします。^^
実はこの前のサバゲーの際に、純正のピニオンがギアブローしてしまい交換しようにも方法が解らず困っていました。
他のサイトにも分解手順の記事がありましたが、メカボックスの分解方法をここまで詳しく解説してくれているサイトはなっかったので助かりました(;´Д`A
おかげさまで愛機が復活しました。ありがとうございました。
この記事見ながらやってみようかなぁ
勇気を出してやってみてください。
最近ステアーHCを購入したのですが、この記事のようなチューニングをお願いすることは出来るのでしょうか?
出来るとすれば依頼の方法を教えていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
ステアーHCは出来の良い銃ですので、
買ってすぐにチューンする必要は無いと思いますよ?
不満な部分が出てきてからでも遅くは無いと思います。
オーナーへメール「メッセージを送る」より
相談内容とメアドとご記入の上クリックしてください。
以上 よろしく!!お願いします。
新品買ったばかりなので壊れてるとは思ってなかったのですが・・・
ちょっと調整入れてみようと思います。ありがとうございました!
ステアー分解 組み立て編 拝見致しました。
質問です。
ステアーHGを中古で購入致しました。
カスタムするのにメカボックスver3で電子トリガー化にしたく思っております。
果たして出来ますでしょうか?
いくつかのメーカーよりver3用のキットが出ております。ほとんどがAKを前提とした物だと思われます。
ステアーは、セミとフルの二つのスイッチが有ったと思います。
また出来るので有ればおすすめ有りますでしょうか?
ステアー用は不知火商店から陽炎FCUがでていますので
そちらを取り付けるのがベストです。
早速 予約致しました。